アスファルトの蝉

【 2016年08月20日 PM 05:42 】

自転車で走っていると色々なものが目に留まる。最近よく目にするのが道路上のセミの死体であり、うっかり踏んでしまうこともあるかもしれないが、できる限りよけようと心掛けている。蝉は地中で7年過ごし、地上に上がって7日でその生涯を終えると記憶している。そのバランスがあまりにもすごい。7年かかって培ってきたものすべてを出し切るために声を張り上げて鳴くのだと思うとあの煩さにも少しは寛容になれる。

しかし、あんなに頑張ってアスファルト上に堕ちてしまった蝉はさぞかし無念であろうと思う。

土の上なら、まだ、何かの役に立てる。自然界はすごい。小さな虫が群がって食用にしたりするうちにバクテリアなどに分解され土の養分となり、また蝉の幼虫の栄養となることができるのだ。 しかしアスファルトでは、どうなのだ。子供のおもちゃになればまだましな方である。ボーっと自転車にのることを許さず、緊張感をもって道を行くことを私に思い出させてくれるのが関の山か。人間が作ってしまった仕組みが地球の情理を少し狂わせてしまってはいないのか。

それでも蝉は地上にはい出てくる。そして思いっきり鳴くのである。たとえ不条理があったとしても、自分に与えられた使命を精一杯果たすことができれば、そこで尊い命が輝くのであろう。

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ひばりが丘の桃の木

 

 

投稿者:wpmaster

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