祖母の写真
【 2016年09月02日 AM 02:53 】
叔母が古い写真を持ってきた。祖母の上品さと自分のへちゃ顔対比がおかしいといって、みなでひとしきり笑った。
私は、おばあちゃん子だったと思う。初孫だったから関わりも多かったのかもしれない。
92歳になってもいろんなことを手帳にメモしていて、なんでも自分でやろうとする人だったと記憶している。私が遊びに行くと、出前をとってワンタン麺食べてた。一人分だと頼めないから、って言ってたな。
あるとき、「泊まっていきなよ」って何度も言われたことがあった。「久しぶりに背中かいてあげるから」って。
小さいころ、一緒に寝ると背中かいてくれて、それがたまらなく気持ちよかった。母ではだめ、おばあちゃんの技は最高だった。だからその提案は魅力的ではあったものの、支度もしてなくて面倒だったから、「また来るね」と、あっさり帰った。危ないからって言って、坂の途中まで見送ってくれた。あの頃、私は既に三十路、十分すぎるほど大人だったし、おばあちゃんは、手押し車押しながら歩いてたから、どっちが危ないのかわからなかったけど。
秋になって祖母は入院した。お見舞いにいったとき、薬の袋を破くのが大変そうで、見ているのが悪いような気がした。
「また」はなかった。背中をかいてもらえる至福の時は、永遠になくなってしまった。
この写真の祖母は優しく幸せそうで、素敵な人生を送ったのであろう祖母のこと、もっと知りたかったと思わされた。あの時泊まっていたらもっといろいろな話ができたのかな。
有難うね、おばあちゃん。
投稿者:wpmaster
台風接近
【 2016年08月22日 AM 10:08 】
昨日の晴れ間は貴重でした。
雨で数日放置した畑の作物は急成長しており、枝葉がぐいぐい伸びておりました。そして、巨大化したナスがぶら下がっておりました!作物には恵みの雨、気温が高いのも幸いしたのでしょう。早速収穫し、訪問した鎌倉サロンにおもちししたところ美味しいさっと揚げにしてくださいました。
今日は関東地方で台風上陸の恐れ、朝から大雨です。移動には時間にゆとりを持って危うい時は避難も辞さず、落ち着いてまいりましょう♪
投稿者:wpmaster
アスファルトの蝉
【 2016年08月20日 PM 05:42 】
自転車で走っていると色々なものが目に留まる。最近よく目にするのが道路上のセミの死体であり、うっかり踏んでしまうこともあるかもしれないが、できる限りよけようと心掛けている。蝉は地中で7年過ごし、地上に上がって7日でその生涯を終えると記憶している。そのバランスがあまりにもすごい。7年かかって培ってきたものすべてを出し切るために声を張り上げて鳴くのだと思うとあの煩さにも少しは寛容になれる。
しかし、あんなに頑張ってアスファルト上に堕ちてしまった蝉はさぞかし無念であろうと思う。
土の上なら、まだ、何かの役に立てる。自然界はすごい。小さな虫が群がって食用にしたりするうちにバクテリアなどに分解され土の養分となり、また蝉の幼虫の栄養となることができるのだ。 しかしアスファルトでは、どうなのだ。子供のおもちゃになればまだましな方である。ボーっと自転車にのることを許さず、緊張感をもって道を行くことを私に思い出させてくれるのが関の山か。人間が作ってしまった仕組みが地球の情理を少し狂わせてしまってはいないのか。
それでも蝉は地上にはい出てくる。そして思いっきり鳴くのである。たとえ不条理があったとしても、自分に与えられた使命を精一杯果たすことができれば、そこで尊い命が輝くのであろう。
投稿者:wpmaster